ステーキや寿司、サンドイッチなど様々な方法で楽しむことができるマグロ・カツオ類は、世界で最も人気のある水産物です。マグロ・カツオ類の世界的な需要はこの半世紀で劇的に伸びており、持続可能な漁業への転換がますます重要になっています。マグロ・カツオ類についてよくある質問と答えをまとめました。
マグロ・カツオ類は食べてもいいのですか?
マグロ・カツオ類を食べたい場合はMSC「海のエコラベル」付き製品を選ぶことをお勧めします。ツナの缶詰はカツオを使っているものも多く、MSC認証の持続可能なツナブランドもいくつかあります。世界の多くのスーパーでは、MSCラベルが付いたビンナガマグロやキハダマグロも購入することができます。
マグロ・カツオ類漁業は持続可能ですか?
マグロ・カツオ類には複数の種類があります。種によっては過剰漁獲されている資源もあります。多くのマグロ・カツオ類資源は健全なレベルにあり、持続可能な方法で漁獲されています。
マグロ・カツオ類は高度回遊性魚類資源であるため、国際管理機関と国が協働して入念に管理していく必要があります。
マグロ・カツオ類の漁獲方法は?
マグロ・カツオ類の漁獲方法はいくつかあり、以下の条件によって漁法や漁具が使い分けられています。
マグロ・カツオ類のうちのどの種を対象にしているか
どのような漁具でも、その使い方と漁獲量、そして広域な生態系への漁具の影響を適切に管理することで、持続可能な漁業を行うことができます。
漁業によってはFAD (集魚装置)を合わせて使う場合があります。FADは混獲、つまり誤って対象ではない種を獲ってしまう要因のひとつとされてきましたが、適切に管理されていれば問題なく使用することができます。
マグロ・カツオ類漁業で使われる一般的な漁具:
一本釣り
まき網
はえ縄
クロマグロは絶滅危惧種ですか?
クロマグロには、タイセイヨウクロマグロ、タイヘイヨウクロマグロ、そしてミナミマグロの3種類があり、資源状態は種によって異なります。
2011年にはタイセイヨウクロマグロがIUCN(国際自然保護連合)の絶滅危惧種リストに登録されました。10年間で資源量が50%も減少してしまったからです。
タイセイヨウクロマグロには東大西洋と西大西洋の2つの個体群があり、この10年間で東大西洋の資源は回復の兆しを見せています。
2018年には東大西洋のタイセイヨウクロマグロを対象とする2つの漁業がMSCの持続可能な漁業規格を満たしているかどうかを見極める本審査に入りました。審査を実施するのは第三者の審査機関で、MSC漁業認証規格に照らし合わせて採点します。
マグロ・カツオ類漁業がイルカに害を及ぼすことはないですか?
ほとんどのマグロ・カツオ類はイルカと何の関わりもありませんが、太平洋の一部の水域では、キハダマグロとイルカを一緒に目にすることがよくあります。
こうした水域においても、イルカは水面近くを泳ぐのに対し、キハダマグロは水深150メートルあたりのところまで潜っています。キハダマグロがイルカと群れる理由は定かではありませんが、これは年齢の高いキハダマグロにしか見られない現象です。
中央アメリカに近い熱帯東太平洋の漁業者は伝統的に、イルカを頼りにキハダマグロを獲ってきました。
熱帯東太平洋では通常、マグロ・カツオの群を網で囲い込んで巻き上げる、巻き網漁業が行われています。マグロ・カツオ類の上方でイルカが泳いでいるため、この水域ではイルカが誤って漁獲される(混獲)場合が結構あります。
メキシコのマグロ・カツオ類巻き網漁業によって混獲されたイルカの数は1989年には132,000頭に達しました。こうした混獲を防ぐための方策が求められ、より選択性の高い漁法が導入されました。1985年から1997年にかけて、イルカの死亡率は99%も減少しました。
2017年には、北東熱帯太平洋のキハダマグロとカツオ巻き網漁業がMSC認証を取得しました。
ドルフィンセーフやドルフィンフレンドリーと記載されたラベルは、イルカとの遭遇を避けた漁業によって供給されたマグロ・カツオ類であるという意味で、それ以外の影響については保証していません。MSC「海のエコラベル」は、イルカなどへの影響を含む、海洋生態系全般に配慮した漁業によって供給されたことを保証するものです。
マグロ・カツオ類
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