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2024年の国連の報告書によると、世界の水産資源の38%近くが過剰漁獲されています。そのため、漁業管理の強化とその拡大はこれまで以上に急務となっています。

これまでに世界で500以上の漁業が、持続可能な漁業のための世界的な基準であるMSC漁業認証を取得しています。しかしまだ数多くの漁業にとっては、持続可能な漁業となるために克服しなければならない壁があります。

「MSC漁業認証取得に向けた改善プログラム」(MSC改善プログラム)は、MSCの規格を満たすレベルまで改善を進めるための枠組みを提供します。

MSC改善プログラムは、これまでに世界中の漁業改善プロジェクト(FIP)に参加している漁業の取り組みを補完するものです。

MSC改善プログラムに参加する漁業には、資源管理および漁業が環境に及ぼす影響を改善し、5年以内にMSC漁業認証規格を満たすことが求められます。これを達成するために、以下を実施しなければなりません。

  • 改善が必要な部分を特定するために第三者による審査を受ける
  • 実行可能な改善計画に沿って測定可能な改善を実現する
  • 改善の進捗状況に関して、MSC漁業認証の審査資格を持つ第三者審査機関の定期的な検証を受ける

MSC改善プログラムに参加している漁業で獲られた水産物を使用する小売販売用の消費者向け製品には、一定の条件を満たせば、包材の裏面に主張文を記載することができます。MSC漁業認証を取得した持続可能な漁業で獲られた水産物の証となるMSCラベルは、使用することができません。

改善の実施

2019年に開始した「MSC認証漁業への移行プログラム(ITM)」が、MSC改善プログラムの土台となりました。試行プログラムであるITMでは、漁業は第三者による検証を定期的に受け、MSC漁業認証取得に向けた改善の進捗確認を行うことが求められました。

2024年8月、南アフリカのビンナガマグロ漁業の一部が、ITMを経てMSC漁業認証を取得した記念すべき初の漁業となりました。

“MSCは持続可能性において世界を牽引する数多くの漁業と協働しています。しかし、一刻を争うこの状況下にあっても、これらすべての漁業がMSCの漁業認証規格に適合しているわけではありません。MSCの新しい取り組みは、こうした漁業が持続可能な漁業のための改善を行うことを促進します。そうすることによって、健全な海と将来における水産物の供給が守られるだけでなく、漁業で生計を立てているコミュニティの生活も守られるのです”

アマンダ・リーボウィッツ

MSC漁業認証規格アクセシビリティ責任者