2024年2月1日
MSCは2023年5月より漁業認証規格第3.0版を発効といたしました。規格の発表以来、新しい要求事項の検証を行い、ワークショップを通じて第三者審査機関や漁業関係者から幅広く意見を収集する等、規格の運用開始のための包括的な取り組みを実施してきました。その過程で、修正が必要な部分が明らかになりました。この結果を受け、要求事項が一貫性を以て適用され、意図する持続可能性が実現されるよう、2024年7月に漁業認証規格の変更版を発表することとなりました。
この変更版の発表に続いて、「情報の正確性と信頼性の枠組み(ERF)」の見直しを行う予定です。ERFは、MSC漁業認証の審査において証拠資料の客観性を評価するための新たなアプローチです。ERFを導入する際、MSC評議員会は、目的通りにERFの機能が果たされるよう見直しを行うことについて合意していました。この見直しは、漁業認証の審査に精通している専門家の主導のもと、2024年7月に開始されます。見直しを通じて検討される課題には、複雑さやコストの低減に向けたERFのより効率的な適用についても含まれます。見直しの過程では、業界やNGO等のステークホルダーから意見を募る機会を設ける予定です。
すでに漁業認証規格第3.0版に移行している漁業や、第3.0版での予備審査の結果が良好な漁業におかれましては、そのまま第3.0版にて認証の取得(継続)をご検討いただけましたら幸いです。一方で、今回の変更により、規格の第2.01版の使用期限をさらに2年間延長することもできるようになります。
この2年間の延長措置(リンク先:英語)は、2024年2月1日より有効となります。期間を延長することにより、漁業が規格の変更版を適用して審査を受けることが求められるようになる前に、第3.0版の変更点を確実なものにするとともに、十分な検証を行うことができます。
この措置を受けて、初めて漁業認証の審査を受ける漁業は、2026年2月1日まで漁業認証規格第2.01版を利用することが可能となります。また、すでに認証を取得している漁業は、漁業認証規格第3.0版の変更版への移行期限が2030年11月1日までに延長されます。