MSC認証とは?
水産資源や環境に配慮し、適切に管理された持続可能な漁業に関する認証です。漁業に対する「MSC漁業認証」と、水産物の水揚げ以降のサプライチェーンに対する「MSC CoC認証」の2つがあります。
MSC漁業認証
各方面のステークホルダーとの協議を経て策定されたMSC漁業認証規格にのっとり、第三者の審査機関が漁業を審査します。審査は以下のMSC漁業認証規格の3つの原則に基づきます。
- 原則1:資源の持続可能性
- 原則2:漁業が生態系に与える影響
- 原則3:漁業の管理システム
MSC CoC認証
MSC漁業認証を取得した漁業で獲られた認証水産物と、それ以外の非認証の水産物が混ざらないよう管理し、消費者に認証水産物を確実に届けることを目的とした認証です。
製品をMSC認証のものとして取り扱うためにはMSC CoC認証が必要です。MSC CoC認証は、加工業者、卸売業者、レストランなど、サプライチェーンの各過程で必要となります。
MSC認証による商業的メリット
- サステナブルという付加価値による差別化、PR効果、ブランドイメージの向上
- 新たな市場・販路の拡大、既存市場の確保
- 価格プレミアムの可能性
- 原料・製品の安定的な調達
- CSR(企業の社会的責任)としての活用、ESG投資への対応
- 認証を通じた管理体制の改善
- SDGs(持続可能な開発目標)の目標14「海の豊かさを守ろう」をはじめ、目標2「飢餓をゼロに」、目標8「働きがいも経済成長も」、目標12「つくる責任 つかう責任」、目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」への貢献
MSC「海のエコラベル」付き製品を消費者のもとに届けるためには、厳格な管理と、消費者が認証製品を選べる市場づくりが必要です。
MSC漁業認証を望むすべての漁業は認証審査の申請が可能です
認証取得を希望する漁業者は、審査機関による任意の予備審査を受け、その結果に基づき、本審査に進むどうかを選ぶことができます。予備審査の過程は非公開で行われ、申請者が自ら公開しない限り、第三者に知られることはありません。
本審査では、申請者が該当する漁業についての資料・情報を提示し、MSC漁業認証規格を満たしているかどうかが第三者の審査機関によって審査されます。規格を満たしていると認められればMSC漁業認証が取得できます。
漁業の規模、魚種・漁法、国・海域等を問わず、認証取得を望むすべての漁業は認証審査の申請が可能です※。
※毒物や爆発物等を使った破壊的漁業や、過去2年以内に強制労働の罪で起訴され、有罪となった漁業・企業を除く。
認証水産物を確実に届けるためのMSC CoC認証
消費者が購入する最終製品やレストランのメニューなどにMSC「海のエコラベル」を表示するためには、水揚げ後の流通・加工段階で認証水産物と非認証の水産物が混じることがあってはなりません。MSC漁業認証を取得した漁業で獲られた水産物であるということを保証し、認証水産物が非認証水産物と混ざらないよう管理する仕組みがMSC CoC認証です。MSC「海のエコラベル」を表示した商品の最終加工・包装時までに当該水産物の所有権を持つ全ての事業者に取得していただく必要があります。
将来も魚を食べ続けていけるよう、消費者自らの選択のために
MSCの目的は、持続可能な漁業を推進し、消費者の力で世界の水産資源を枯渇させることなく将来の世代まで残していくことです。MSC「海のエコラベル」が付いた製品が市場に増え、選択する消費者が増えることによって、持続可能で適切に管理された漁業が広がり、水産資源や海洋環境を守ることにつながります。それにより、将来にわたって魚を獲り続けていくことができるのです。そのためには、消費者も知り、考え、選ぶことができる市場の確立が必要なのです。
もっと詳しく
MSC「海のエコラベル」とは
MSC「海のエコラベル」は、水産資源と環境に配慮し適切に管理された、持続可能な漁業で獲られた天然の水産物の証です。
MSCの認証規格
MSC漁業認証規格、MSC CoC認証規格をご紹介します。
MSCの最新情報をチェック
プレスリリース、ニュースレター、SNSなどで情報を発信しています。