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焼津の石原水産が、一本釣りのカツオとビンナガで 国際的なサステナブル認証のMSC漁業認証を取得

静岡県焼津市の石原水産株式会社が、一本釣りのカツオとビンナガマグロ漁業で持続可能性についてのMSC(海洋管理協議会)認証規準を満たし、MSCの漁業認証を取得しました。日本では北海道のホタテガイ漁業、宮城のカツオ・ビンナガ漁業などに続くMSC認証漁業となり、これで国内の認証漁業は6件となりました。認証を取得した石原水産と契約する遠洋一本釣り漁船の第8永盛丸は、年間約1,760トン(2017年)のカツオとビンナガマグロを、太平洋の日本近海とミクロネシア近海で漁獲しています。

カツオの水揚高で国内屈指の焼津港を本拠地に1964年に創業された石原水産は、カツオやマグロなどを原料とした刺身やたたき、その他嗜好品などの水産製品の製造・販売事業を50年以上にわたって展開しています。今回のMSC認証の取得は、同社の環境・社会貢献活動の一環であると同時に、昨今の日本市場での需要の高まりに応じたものです。石原水産の加工原料であるカツオとビンナガが、環境に配慮した持続可能な一本釣り漁業で獲られていることが、このたびのMSC認証の取得により証明されました。


漁業者のコメント

石原水産の営業部部長 吉永勝彦氏は次のように述べています。「当社は、創業時よりカツオやビンナガマグロの一本釣りに携わる中で、カツオ・マグロ原料を活かした嗜好品をはじめとした加工商品の開発・製造・販売をしてまいりました。今年に入り御前崎市の丸啓鰹節株式会社を親会社に迎えてさらなる事業展開を図るにあたり、このMSC認証の取得は大きな弾みになるものと思います。今後はCoC認証も取得し、環境配慮型の一本釣りで獲られた私どものカツオとビンナガがMSC「海のエコラベル」を付けて市場に出るよう尽力してまいります。」

今回の審査の対象になった漁船、第8永盛丸を管理する株式会社永盛丸の代表取締役 荒川太一氏は、「当社は、長きにわたり焼津港を拠点に操業していますが、時代とともに同業者の数が少なくなっていることを懸念していました。そのような状況の中で、持続可能な漁業の証であるMSC認証を取得できたことを嬉しく思います。今後、より多くの漁業が持続可能となり、資源の豊かな海で漁獲を続けていけることを願っています」と語りました。


MSCのコメント

MSC日本事務所プログラム・ディレクターの石井幸造は「認証取得を目指しご尽力された石原水産に心からお祝い申し上げます。企業のSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みの拡大、エシカル消費への消費者の意識の高まり、さらには来年に東京五輪をひかえていることもあり、MSC認証を取得した漁業で獲られた魚介類への需要は日本国内でも急増しています。また、小売企業のみならず、外食チェーンや社員食堂でも認証水産物の導入が広がり始めており、今回の認証取得はこうした新たな需要を満たすことにもつながります。この度の認証取得が、石原水産のさらなる発展につながることを強く願っています」とコメントしています。

今回の審査は、独立した審査機関のControl Union Pesca 社により行われ、対象となった2魚種に関しての持続可能性、漁業の環境への影響、その管理システムが検討されました。

(了)

第8永盛丸
第8永盛丸
写真提供:株式会社永盛丸