ミクロネシア連邦(FSM)排他的経済水域(EEZ)のキハダマグロ延縄漁業が、MSC(海洋管理協議会)の漁業規準に合致しているとして認証を取得しました。MSCは国際的な第三者認証規準とエコラベル制度のプログラムで、マーケットを通じて持続可能な漁業を認知し報奨します。
今般認証を取得した漁業は、深圳聯成遠洋漁業有限公司(SZLC)、中国深圳華南漁業有限公司(CSFC)、聯成遠洋漁業ミクロネシア有限公司(FZLC)の漁船から構成されています。
ミクロネシア連邦のこの漁業は、現在と将来の世代のための健全な海洋環境の確保に取り組む、世界で350を超えるMSC認証漁業の仲間入りを果たしました。今回MSC認証を取得したことで、取り組みが世界に認知されることになります。
12ヵ月におよぶ審査は、独立した審査機関であるControl Union Pesca社によって実施されました。現地調査とステークホルダー協議が行われ、対象魚種の資源状態、海洋環境への影響、そして管理のあり方について広範な評価が行われました。
MSCオセアニア地域担当プログラム・ディレクターのアン・ガブリエルは次のようにコメントしました。「今回の太平洋マグロ漁業による認証取得は、長期にわたって安定した、健全な海を目指すMSC認証の持続可能なマグロへの需給の高まりを示すものであり、歓迎すべきニュースです。この漁業においては、認証に付された条件をクリアするため、今後もさらなる改善に取り組んでいくことになります。科学とエビデンスに基づく国際的なプログラムであるMSCは、海のポジティブな変化を奨励する市場の需要の高まりを確実なものにしつつ、世界の漁業を持続可能なものに転換していく効果的なプログラムです。」
すべてのMSC認証取得漁業は、毎年年次監査を受けることにより、MSCの高い規準を満たしていることを確認します。これには認証取得の際に付けられた条件に対する監査も含まれます。
聯成遠洋漁業ミクロネシア有限公司の社長、周新東氏は次のように述べました。「MSC認証取得という極めて重要な成果を収められたことをたいへん誇りに思います。他の海域でのMSC認証とあわせますと、聯成グループは、延縄マグロ漁業としては他のどのマグロ漁業よりも多くMSC認証を取得しています。また、グループ内で漁業改善(FIP)を行っている他の漁業が認証取得できるよう引き続き努力を続けていきます。」
人口10万5千人のミクロネシア連邦は、西太平洋の約600の島々から成る島嶼国です。魚と水産品が国の輸出品の95%以上を占めており、持続可能な水産業を維持していくことが重要となっています。
ミクロネシア連邦政府の国家海洋資源管理局(National Oceanic Resource Management Authority、NORMA)のディレクター、ユージーン・パンゲリナン氏は、次のように述べました。「MSC認証を取得したことで、持続可能な漁業に対する私たちの努力を示すことができたと思います。聯成グループに対してお祝いを申し上げますとともに、今回の認証により延縄漁業の発展に向けた取り組みへの関心が高まり、すべてのステークホルダーが恩恵を受けることができるようになるものと期待しております。」
この漁業による2016年のキハダマグロの水揚げ量は745トンでした。
世界で年間に水揚げされるマグロ・マグロ類のうち100万トン超がMSC認証を取得しています。これは全世界のカツオ・マグロ類の総水揚げ量のおよそ25%に相当します。
(了)