MSC(海洋管理協議会)の評議員会は、世界で広く認知されている持続可能な漁業のためのMSC漁業認証規格が2022年に改定されるのに伴い、見直すべき項目について合意しました。
現在、世界の総天然漁獲量の15%以上が持続可能な漁業のためのMSC漁業認証規格を満たした漁業で漁獲されています。この規格は国連のガイドラインおよび成功事例に準じており、5年ごとに改定されます。
次回の漁業認証規格の改定については、2020年〜21年に協議が予定されており、環境NGOや科学者、水産業従事者等のステークホルダーからの提案についても検討が行われます。
今回の評議員会の決定は、改善の余地があるとして提案された項目に関する詳細な研究・分析に基づくものです。
MSC科学・規格最高責任者のロハン・カリーは今回の見直しについて次のように述べています。
「MSC漁業認証規格の改定に関する協議では、改善の余地がある項目についてステークホルダーから多くの意見を募る予定です。すべての分野におけるステークホルダーに参加いただき、解決策を探りつつ起こりうる影響について検証したいと考えています。あらゆる側面から検討できるよう、協議の対象となる分野について知識、関心をお持ちの方々にはぜひご参加いただきたいと思います。」
漁業認証規格の改定にあたり、以下の3つを含む8つの分野について継続して協議が行われます。
- ETP 種(絶滅危惧種・保護種)の保護
- シャークフィニング(サメのヒレだけを取り、残りの部位を海に廃棄する行為)を阻止するための規制及び管理システムの成功事例
- 漁具の紛失・廃棄およびゴーストフィッシング(紛失・廃棄された漁具により海洋生物に危害が加えられること)の防止強化
MSC漁業認証規格の改定に関する公開協議は、2021年まで行われます。協議の開始時期について通知をご希望の方は、オンラインにてregister for updatesに登録してください(英語)。
2018年に開始された漁業認証規格の見直しは、2022年まで行われます。
MSC評議員会はこのほか、MSC漁業認証の審査プロセスを示したMSC漁業認証プロセスの改定も承認しました。本プロセスの変更点につきましては、2020年3月に公表する予定です。