ドイツの遠洋漁業Doggerbank社のグリーンランド西部のカラスガレイ漁業がMSC認証を取得
本日、13ヵ月にわたる審査の後、Doggerbank Seefischereiのグリーンランド西岸沖のカラスガレイ漁業がMSC(海洋管理協議会)の漁業認証を取得しました。この審査は、審査機関であるControl Union Pesca社の4人のメンバーで構成されたチームによって行われました。現在、EUにおいてカラスガレイを漁獲しているすべての漁業がMSC認証を取得し、持続可能な漁業を行っています。
Doggerbank社は、「マーク」と「ゲルダマリア」という名の2隻のトロール漁船で、6月から12月の間、西グリーンランド水域でカラスガレイを漁獲しています。一回の漁は数週間にわたって行われます。漁で使われている革新的な底引き網には、底部のロープに特殊なローラーが装着されており、海底との接触を低減しています。また漁網にも混獲を減少させるための設計が施されています。
Doggerbank Seefischerei社のマネージング・ディレクター、ウベ・リヒター博士は次のように述べました。「私たちのカラスガレイ漁業がMSC認証を取得できたことを大変喜んでおります。これは、グリーンランドの海で、船長、船員たちが長年にわたって環境に配慮し、資源を大切にする漁業を行ってきたことが認められたのだと思います。私たちは、混獲を減少させるために特別な技術を取り入れ、環境への影響を最小限にとどめ、責任ある管理システムを運営しています。」
カラスガレイ
カラスガレイは主に北大西洋に生息するカレイ類の魚で、ドイツの遠洋漁業において最も価値のある魚のひとつです。頭と尾は、アジア市場向けに船上で別々に冷凍されます。柔らかく脂ののった白身はドイツで薫製にされます。
ウベ・リヒター博士は加えて次のように述べました。
「私たちのカラスガレイ漁業が認証を取得したことで、持続可能な方法で獲られた魚を加工業者や小売業者、特にブレーマーハーフェンの水産食品メーカー、Deutsche Seeへ提供できるようになります。これは、将来他の漁業が認証を取得するためのインセンティブとなるものです。現時点で、私たちの総漁獲量の85%にすでにMSC「海のエコラベル」が表示されています。」
更なる改善
この漁業では、認証時の条件として、操業水域の海洋生態系の調査、観察、保護を改善するための戦略を作り上げることになっています。3年以内に、脆弱な生息域における漁業を防ぐシステムが導入されることになっています。
MSCドイツの漁業担当オフィサー、カリン・リューデマンは次のように述べました。「Doggerbank Seefischereiは、PFA(遠洋冷凍トロール漁船協会)の一部として、北海ニシン漁業で2006年にドイツ初となるMSC認証を取得しています。今回また新たに認証を取得されたことを心よりお祝い申し上げます。」
(了)