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アルゼンチンアカエビ漁業が10年にわたる改善を経て、MSC漁業認証を取得

アルゼンチンアカエビ(学名:Pleoticus muelleri)漁業が、10年にわたる改善への取り組みを経て、持続可能な漁業に与えられる認証として世界的に認知されているMSC漁業認証を取得しました。沿岸のエビ漁業としてはアルゼンチン初、また、アルゼンチンアカエビ漁業としては世界初の認証取得となります。

今回の認証は、海洋の豊かな生物多様性と水産業で知られるアルゼンチン、パタゴニア地方チュブ州沿岸で操業する小型および中型の冷蔵船による漁業が対象となっています。

環境と持続可能性のための厳しいMSC漁業認証規格を満たしていることを確認するために、この漁業は第三者審査機関による厳格な審査を受けました。MSC漁業認証取得の重要なポイントになったのは、漁業管理の強化、モニタリングの改善、そして環境に及ぼす影響の低減に向けた取り組みでした。こうした取り組みは、このエビ資源の長期的な健全性を支えるだけでなく、海の生態系を守ることにもつながります。

アメリカ、ヨーロッパ、アジアへ向けて輸出されるアルゼンチンアカエビは、過去15年間において販売量が急増している水産物のひとつです。陸上の工場では伝統ある水産会社グループが丁寧に加工作業を行っており、沿岸地域の経済と雇用を支えています。今回の認証取得は単なる環境面における成功だけでなく、経済的な恩恵ももたらすことができます。持続可能な認証水産物の需要が世界で高まっている中、認証取得により、世界の小売業者と消費者からの高まり続ける期待に応え、世界の市場へのアクセスをさらに拡げることができるのです。

この漁業による年間漁獲量はおよそ53,600トンです。漁期は責任ある漁業を行うためにアルゼンチンアカエビのライフサイクルに合わせた10月、11月および3月、4月となっています。この認証取得の取り組みを主導した漁業会社は、Achernar、Agropez、Cabo Virgenes、Consermar、Food Partners Patagonia、Greciamar、Iberconsa de Argentina、La Escalerona、Pesquera Verazの9社で、持続可能な漁業の支援団体Cedepescaが支援を行いました。

認証申請者グループの代表であるフェデリコ・アンヘレリ氏は認証取得を達成したことについて次のように述べました。
「MSC漁業認証を取得することができたのは、チュブ州のエビ漁業が長期にわたって持続可能であり続けるために、チームとして懸命に取り組んだ結果です。最高の環境基準を維持しながら地域経済の発展に貢献できることを誇りに思っています。この認証取得によって新しい市場への扉が開かれ、高品質なMSC認証のアルゼンチンアカエビを提供できるようになります」

今回、沿岸で操業する漁業がMSC漁業認証を取得しましたが、現在、アルゼンチンアカエビ漁業のほぼ100%がMSCプログラムに参加しています。アルゼンチンの連邦水域内の沖合で操業する年間漁獲量約14万トンのアルゼンチンアカエビ漁業がMSC漁業認証の審査を受けており、2025年末までの認証取得を目指しています。