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高知・宮崎の近海かつお一本釣り漁業国際認証取得準備協議会がカツオ、ビンナガマグロ一本釣り漁業でMSC認証を取得

持続可能な漁業の世界的基準であるMSC漁業認証規格を満たしているとして、近海かつお一本釣り漁業国際認証取得準備協議会(中田勝淑代表)によるカツオ、ビンナガマグロの一本釣り漁業が、MSC漁業認証を取得しました。日本でMSC認証を取得している漁業はこれで12件となります(※)。

この協議会は、高知かつお漁業協同組合(高知県高知市・中田勝淑組合長)と南郷漁業協同組合(宮崎県日南市・江藤久義組合長)に所属する18隻の近海一本釣り漁船で構成されています。今回の認証の対象となったのは、これら18隻の漁船が漁獲する一本釣りのカツオとビンナガマグロで、2019年の漁獲量は約14,500トンでした。

世界ではマグロ・カツオ類を対象とする漁業のMSC認証取得が加速しており、MSC認証を取得している、あるいは審査中の漁業による漁獲量が世界全体のマグロ・カツオ類漁獲量に占める割合は、2019年度の26%から2020年度の49%へとほぼ倍増しています。

審査は第三者審査機関であるControl Union (UK) Ltd.社により実施され、規定の審査プロセスに則り、ステークホルダーからのコメントや報告書の外部査読結果も踏まえて認証の決定がなされました。


漁業者のコメント

近海かつお一本釣り漁業国際認証取得準備協議会の中田勝淑代表は次のように述べています。「私達、近海かつお一本釣り船は今までも持続可能な漁法でカツオとビンナガマグロを獲ってきました。その漁法がMSC認証を取得することによって世界的基準を満たしていると認められたことは喜ばしく思います。でも課題はまだあります。MSCのカツオとビンナガマグロが日本の消費者にどのくらい届くかです。MSC CoC認証を取得した企業は増えてきていますが、流通が更に進んでいくかが大きな課題だと思っています。」

MSCのコメント

MSCジャパンのプログラム・ディレクター、石井幸造は次のように述べています。「認証取得を目指しご尽力された漁業者の皆さまに心からお祝い申し上げます。コロナ禍で国内外問わず大変な状況にある中、環境やサステナビリティに配慮した取り組みや商品がこれまで以上に求められるようになっています。今回の認証取得は、こうした需要に応えるものであり、認証取得を通じて、一本釣りで獲られたカツオ、ビンナガマグロの価値がこれまで以上に認められ、この伝統的な漁業が永続的に次世代へ継承されていくことを願っています。」

※MSC漁業認証を取得した漁業数は、申請漁業ごとの魚種数で数えています。
現在、日本国内でMSC漁業認証を取得したのは以下の12件です。

  • 北海道 ホタテガイ漁業
  • 明豊漁業 カツオ、ビンナガマグロ一本釣り漁業
  • 石原水産 カツオ、ビンナガマグロ一本釣り漁業
  • マルト水産 カキ漁業
  • 臼福本店 タイセイヨウクロマグロはえ縄漁業
  • 尾鷲物産 ビンナガマグロ、キハダマグロ、メバチマグロはえ縄漁業
  • 近海かつお一本釣り漁業国際認証取得準備協議会 カツオ、ビンナガマグロ一本釣り漁業


近海かつお一本釣り漁業国際認証取得準備協議会について

高知と宮崎を拠点とする18隻の近海かつお一本釣り漁船から成る協議会。伝統あるかつお一本釣り漁業を未来につなげていくために、MSC認証取得を目指して設立されました。