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新型コロナウイルスへの更なる対応として、MSC認証審査・監査および条件に対する要求事項を一時的に変更

MSC(海洋管理協議会)は新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、一年前に導入した変更措置を一部継続します。これにより、MSC認証プログラムの信頼性を損なうことなく、認証水産物の生産者およびサプライヤーを支えます。

パンデミックという前例のない状況に直面しているMSC認証保有事業者を支えるために、MSCは昨年、MSC規格の要求事項について一時的な変更措置を導入しました。これにより、水産資源と環境を保護するために策定されたMSC規格を変更することなく、規格の要求事項を満たしていると実証する代替方法を、漁業者およびサプライヤーに提供することができました。

MSCはこの度、新型コロナウイルス感染症の拡大による制限や健康上のリスクがある場合に限り、遠隔での審査・監査の適用期間を2022年3月28日まで延長することにしました。しかし、審査機関は可能な限りにおいて現地訪問を再開することが望まれます。また、初回認証審査を遠隔で行う場合には、審査機関はその承認申請ならびにリスク評価を提出する必要があります。

多くのMSC認証漁業は、コロナ禍の中でも業績レベルの改善に努めていますが、かつてない制限を受けていることをMSCは把握しています。そこで、管理当局の措置や決定に関連した改善の達成期限を12カ月延長することとしました。これによって認証の有効期間が延長されることはなく、認証を維持するためには、有効期間内に認証更新審査を受ける必要があります。

強制労働および児童労働のリスクを防止するための労働監査を受ける必要のあるサプライチェーン事業者に対しては、認定された労働規格に則った監査を受ける方法以外に、詳細な自己審査を実施し、申告書を提出していただくことも可能です。また、労働関連の監査は通常、対面で行う必要があるため、完了するまでの期限に猶予を持たせることにしました。労働関連監査を完了する代わりに自己査定を希望する場合、提出された自己審査結果については、MSCが労働監査機関に照会する権利を有します。監査結果、自己審査の報告書はいずれも2021年5月28日以降に予定されているMSC年次監査までに提出する必要があります。

MSC科学・規格最高責任者のロハン・カリーは今回の変更措置について次のように述べました。
「新型コロナウイルスによるパンデミックへの対応も2年目に入りましたが、厳しい状況の中にあって、世界の消費者に持続可能な水産物を届けるために尽力されている漁業者やサプライチェーン事業者を誇りに思います。
各国の水産業界は、移動制限、事業の一時停止といった新型コロナウイルスによる制約への対応に追われていますが、そうした中、消費者は持続可能な水産物を購入しているという保証をMSCのエコラベルに求めています。
MSCはパートナーと協働しながらパンデミックに対応することで、将来の世代のために持続可能な水産資源と豊かな海を守ることができると確信しています。」

変更措置の発効日は2021年3月27日です。