水産資源と環境に配慮した、持続可能な漁業で獲られた水産物の証であるMSC「海のエコラベル」付き製品は、世界約100カ国に広まっており、日本でも900品目以上の製品が登録されています。MSC漁業認証を取得した漁業で獲られた水産物をMSC認証のものとして取り扱うためには、サプライチェーンにおいて認証水産物と非認証水産物が混ざることを防ぐとともに、認証水産物のトレーサビリティの確保を確実にするためのMSC CoC認証の取得が必要となります。日本国内で初めてMSC CoC認証を取得したのは築地市場(当時)で仲卸業務を行う株式会社亀和商店で、2006年4月のことでした。その後、認証取得事業者は着実に増加し、この度、300社を超えました。
CoC認証取得事業者数はここ数年で急速に増えており、2018年1月から2020年12月末までの3年間で160社以上がCoC認証を取得しました。その理由として、水産資源に関する危機意識の高まりや、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けた企業・団体の取り組みの増加等が考えられます。現時点で、日本におけるCoC認証取得事業者数は、中国、アメリカ、ドイツ、フランスに次いで世界で5番目に多い数となっています。
CoC認証取得事業者は、水産物輸出入企業、水産物加工企業、水産物卸売・仲卸業者、小売関連企業、外食関連企業、ホテル、社員食堂に認証水産物のメニューを提供する給食会社など、業態は多岐にわたります。直近では、明太子の原料調達から製造販売までを一貫して行う株式会社かねふく、グローバルで持続可能な水産物の調達目標を掲げるホテルグループのヒルトン東京ベイ、ビンナガマグロ、キハダマグロ、メバチマグロで漁業認証審査中の尾鷲物産株式会社などが取得しました。
MSC「海のエコラベル」を選択することは、SDGsの目標14「海の豊かさを守ろう」はもちろんのこと、目標2「飢餓をゼロに」、目標8「働きがいも 経済成長も」、目標12「つくる責任 つかう責任」、目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」にも貢献できます。MSCジャパンは今後もCoC認証取得事業者との連携を強化するとともに、CoC認証取得を目指す事業者のサポートを進めてまいります。