海洋管理協議会(MSC)は、グローバルな持続可能な水産物の認証プログラムとして、世界で初めて世界水産物持続可能性イニシアチブ(Global Sustainable Seafood Initiative: 以下GSSI)の承認を受けました。MSCの認証制度が、信頼性と厳格性において国際的な要求事項に合致していることが認められました。
GSSIの基準は、国連食糧農業機関(FAO)の「水産物エコラベルのためのガイドライン」に基づいており、ガバナンス、管理運営、トレーサビリティ、審査についての国際的な業績評価指標が含まれています。同基準は、環境NGO、国際的な企業、独立した専門家、政府、国際組織との協議によって開発されました。この基準に承認されるためには、MSCの運営に関する高度な精査が求められ、詳細なステークホルダー協議が行われました。
MSCは、GSSIの基準のすべての必須項目に加え、深海での漁業、脆弱な海洋生態系、影響を示すための情報収集といった問題に関連する63の補助的な要素を、すべて満たしました。すべての天然漁業を対象とする、国際的な水産物の持続可能性に対する規準として、GSSIに承認されるのはこれが初めてです。
MSCのCEOであるルパート・ハウズは次のように述べています。
「MSCは世界中の持続可能な漁業を認知するための科学と証拠に基づいたプログラムであり、既存の優良事例を奨励し、世界規模の真の変化を推進します。GSSIによる承認は、MSC認証の厳格さと信頼性を再確認するものです。MSC認証の水産物を購入する人は誰でも、それが漁業管理における世界基準の優良事例を反映したものであると、確信できるでしょう。」
MSC科学・規準ディレクターのデイビッド・アグニューは、次のようにコメントしています。
「MSCは、GSSI承認を達成するために必要とされたプロセスと、必須項目の綿密な精査を歓迎しました。第三者機関による精査、独立性、透明性、公平性、ステークホルダーとの協議は、世界をリードする規準を継続的に改善し、維持するという、MSCの価値観と取組みの中核を成しています。」
UN FAOの水産養殖政策・経済部副部長のオードン・レム氏は次のように述べています。
「MSCがGSSIの審査規準プロセスを順調に終えたことで、国際的に合意されたFAOの『水産物エコラベルのためのガイドライン』など、国際的な指標に準拠することの重要性が明らかになりました。GSSIは、他の認証制度がMSCの例に従うことを奨励しています。」
さらなる信頼性の確保
GSSIの承認に加えて、MSCは、ISEAL(国際社会環境認定表示連合)の正式なメンバーとなる唯一の天然水産物に関する認証プログラムであり、高い評価を受けた基準設定、信頼性の維持、ならびに影響評価に関する高い基準への準拠性が要求されています。
またMSCは、MSCステークホルダー協議会と技術諮問委員会を含むステークホルダーを招へいし、彼らの意見を反映することで、規準のプロセスに関する定期的な見直しと協議を行っています。これらの人々は、水産物業界、環境NGO、そして科学界の幅広い分野を代表しています。
GSSIプログラム・ディレクターのへルマン・ヴィッセ氏は、次のように総括しています。
「MSCがGSSIを成功裏に完了したことは、水産物認証への信頼を確実にする道しるべとなるでしょう。より持続可能な水産物を実現するための私たちの共同作業は、国連FAOのガイドラインに沿った、堅固で信頼できる認証を必要としています。」
GSSIとは:
世界水産物持続可能性イニシアチブ(GSSI)は、水産会社、非政府組織、専門家、政府、そして国際機関による、世界的な情報共有と協力の場です。GSSIの設立目的は、認証水産物の供給と販売促進における信頼性を担保すること、また水産物認証制度の改善を促進することです。
GSSI基準は、FAOの文書に基づき、堅固で信頼性のある認証制度を承認するためのものであり、またその他の認証制度については改善を促進するためのものです。すべての認証制度がGSSIの審査を受けることができます。GSSIは、審査プロセスを通過し、必須項目を満たした認証制度を承認します。
世界中の20以上のスーパーマーケット、メーカー、流通業者、食品サービスが、GSSI承認の結果を業務の上で参考にすることを表明しています。
GSSI承認に関する詳細な情報は、以下のホームページourgssi.orgを参照、もしくは次のメールアドレス[email protected]にご連絡ください。
MSCを審査したGSSI規準レポート全文(英語のみ)を読む場合はこちら>
「MSCがどのようにして優良事例を作り出したか(英語のみ)」について読む場合はこちら>
ブログ「MSCと他の水産物関係ラベルとの比較(英語のみ)を読む場合はこちら>