ブリティッシュ・コロンビア沿岸沖、カナダ太平洋EEZ(排他的経済水域)で操業されているギンダラ(Anoplopoma fimbria) 漁業が、独立した審査機関の審査を経て、持続可能で適切に管理された漁業として、MSC認証を取得しました。このギンダラ漁業による水産物にはMSCのエコラベル表示が可能になります。ギンダラ(Sablefish)は市場ではブラックコッド(Black Cod)としても知られています。
この認証申請者は、ワイルド・カナディアン・セーブルフィッシュ・リミテッド(Wild Canadian Sablefish Ltd. - WCS)です。操業権を持つギンダラ漁船の延縄とかごの2つの認証単位が審査されました。1991年以来48隻の船がギンダラの操業権を持ち、その保持者は漁船別漁獲割当(IVQ)を貸し出すことが認められています。しかし全ての漁船が毎年操業を行っているわけではなく、近年では一年間で最も多い操業船舶数は35でした。
ギンダラ漁船団は、ブリティッシュ・コロンビアの大規模な底魚漁船団の一部であり、全船に対する海上監視等や、TAC対象の全底魚種に対するIVQ制度等を通じ、底魚類漁業を様々な面で積極的に改善していく底魚漁業のインテグレーション・プログラムの一環を担っています。
2010年から2011年におけるこの漁業のTAC は2,350トンでした。 さらに科学的調査、カナダ先住民への食糧および社会的、祭祀目的のための割当もなされています。
カナダのギンダラの約83%が、冷凍製品、ドレス加工、Jカットなど一次加工品として日本へ輸出されています。残りはアメリカ、欧州、中国、中近東へ輸出され、5%は燻製や、ギンダラのフィレやステーキといった付加価値製品として国内市場で流通しています。
ワイルド・カナディアン・セーブルフィッシュ・リミテッドの社長である、ロン・マクドナルド(Ron MacDonald)は以下のように述べています。
「世界で高い評価を受けている、MSC認証を受けた漁業に加わることができ誇りに思っています。この貴重な資源の保護は常に我々の最優先事項であり、MSCのエコラベルを我々の漁獲物に使用できることはその表れです」
MSCアメリカの地域ディレクターである、ケリー・コーフリンは「ブリティッシュ・コロンビアの底魚漁業のインテグレーション・プログラムの一環として、このギンダラ漁業は、持続可能性の改善に向けて、全船に対する海上監視など数々の積極的な措置を既に取っています。これはブリティッシュ・コロンビアでMSC認証を受ける5つ目の漁業であり、この地域でこのような環境の持続可能性に対する力強い取組みがなされているのは素晴らしいことです」と述べています。
審査はムーディ・マリン・リミテッドにより行われました。MSC基準の三大原則である、資源の持続可能性、海洋生態系への影響、漁業の管理システムが詳細に評価されました。他の漁業と同様、カナダのギンダラ漁業は年次監査を受けることになります。審査の詳細はMSCのウェブサイトでご覧いただけます。
www.msc.org/track-a-fishery/certified.
以上
(*各団体名等の日本語表記はご参考としてのものです)