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アメリカ初の大西洋アブラツノザメ漁業、MSC認証取得

北大西洋のアメリカ東海岸のアブラツノザメ(Squalus acanthias)漁業-6つの認証単位として審査-が、第三者認証機関であるIntertek Moody Marineによる審査の結果、持続可能で適切に管理された漁業としてMSC認証を取得しました。この漁業は、Sustainable Fisheries AssociationとしてMSCプログラムに参加し、今後この漁業からの製品にはMSCエコラベルを表示することが可能となります。このAssociationには、Seatrade International Co. Inc、Zeus Packing, Inc、 Marder Trawling と Eastern Fisheries, Incの4社が参加しています。

この漁業は、アメリカ東海岸沖、メイン州とノースカロライナ州に渡る、連邦と州水域で周年操業しています。使用する漁具は、刺し網、延縄、そしてオッタ―トロールです。この3漁具による2009年の水揚げは、3,300トンで、このうち刺網による漁獲が、約三分の二を占めます。年間漁獲割り当てと操業制限等の管理方策の成功による近年の目覚ましい資源量の回復で、漁業管理者は、商業漁獲枠を増やすことができるようになりました。2012-13年の漁期には、16,101トンが漁獲制限です。主な市場は、ヨーロッパ連合です。

州と連邦漁業の管理は、アメリカ海洋水産局(National Marine Fisheries Service)がMid-Atlantic Fishery Management Councilとの協力により行います。Mid-Atlantic Fishery Management Councilは、各州になり替わり漁業管理の調整を行っている、the New England Fishery Management Council と the Atlantic States Marine Fisheries Commissionと協力しています。2000年には、資源再構築計画を施行し、資源を持続可能なレベルまで回復させました。アメリカ海洋水産局は、この資源を再生したと位置付けており、この漁業は過剰漁獲の状態にはなく、その傾向もありません。

漁業からのコメント

Sustainable Fisheries Associationを代表して、アトニー・ジョン・ホワイトサイドJr氏は、次のように話しています。 「私たちは、このアメリカのアブラツノザメ漁業をMSC審査に進めました。それは、ヨーロッパ連合にいる我々のバイヤーに、彼らが持続可能な漁業で獲られた魚を購入しているということを証明したかったからです。MSC認証は、世界的な一貫性と信頼があり、我々が証明することを可能にしています。MSC認証を取得した我々の漁業を誇りに思い、また水産物の持続可能性が、漁業者と漁業コミュニティーの将来を支えて行くことを信じています。Sustainable Fisheries Associationのメンバーは、この認証の取得と、審査のプロセスが産み出した環境団体、漁師、またその他のメイン州からフロリダにかけての漁業関係者間での前向きなやり取りを大変喜んでいます。 アメリカ大西洋のアブラツノザメ漁業が持続可能な漁業となったことは、Mid-Atlantic and New England Fishery Management Councilsによる12年に渡る管理計画とAtlantic States Marine Fisheries Commissionとの協力の賜物です。」

MSCのコメント

MSCアメリカ地域ディレクターのケリ-・コフリンは、次のようにコメントしています。「MSC認証を通じて、世界中のバイヤーと消費者は、アメリカの大西洋アブラツノザメ漁業が、適切に管理された持続可能な五行であり、漁獲対象種の資源量は健全で、商業漁業は、その資源を適切に漁獲していることに確信が持てます。科学的な審査においては、混獲、投棄、絶滅危惧種・保護種への影響を含む問題を厳格に評価し、開かれた透明性のあるプロセスの中で、関係者からの意見も考慮します。この漁業の認証の取得にお祝申し上げます。」

審査と認証について

認証機関は、条件と呼ばれるいくつかも改善行動を認証に付与しています。MSCの原則1に関しては、対象魚種の資源状態が良く、漁業が厳しい規制の中で操業され、資源状態を保っているので、改善行動は求められていません。

海洋生態系に関する原則2については、認証機関は14の改善行動を認証に課しています。改善は、刺網を使う漁業に関しては、メイン湾とジョージバンクの大西洋タラの資源回復を妨げていないことの実証に関すること、またすべてに関して、混獲種への影響に関する追加データの提出、そして、絶滅危惧種や保護種への影響に関するデータの収集が、影響を定量的に評価するために求められています。

漁業の管理に関する原則3については、平均90という大変高い得点を得ているおり、認証機関は、2つの改善を求めています。それは、漁師が、州と連邦政府による管理方策に準拠しているかどうかを証明する追加的な情報の提出です。

これら改善行動の進展とアブラツノザメの保全方策への引き続く準拠の証明については、年次監査にて評価されます。